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こんにちは、FPの詠子です。今日は「市販薬も対象になる『セルフメディケーション税制』って、通常の医療費控除とどっちが得?」というご質問にお答えします。

ドラッグストアで買う風邪薬や湿布代。「病院に行くほどではないけれど、市販薬代はけっこうかかっている」という方も多いと思います。実はこの市販薬代にも使える「セルフメディケーション税制」という制度があります。今日は、通常の医療費控除との違いと、どちらを選ぶべきかを整理します。

💡 知っておきたい基本
医療費控除は、本来「税金がかかる対象の金額(所得)を引き下げる制度」です。仕組みの全体像は、まず医療費控除とは?基本の仕組みで詳しく解説しています。 また、分からない用語が出てきたら、医療費控除の用語集もあわせてご覧ください。

💊 セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)とは

セルフメディケーション税制は、医療費控除の「特例」として設けられた制度です。健康の保持増進・疾病予防への取り組み(人間ドック、インフルエンザの予防接種、特定健康診査、定期健康診断など)を行っている方が、対象となる市販薬(スイッチOTC医薬品など)を購入した場合に使えます。

控除額の計算式は、次の通りです。

対象医薬品の購入額 − 12,000円(上限は88,000円)

⚠️ 重要なルール:通常の医療費控除との「選択適用」

ここが一番大切なポイントです。通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらか一方しか使えません。両方を同時に申告することはできず、確定申告のときにどちらか一方を選ぶ「選択適用」というルールになっています。しかも、一度どちらかを選んで申告したあとに、修正申告や更正の請求で「やっぱりもう片方に変更する」ということはできないため、慎重に選ぶ必要があります。

⚖️ どっちが得?医療費控除とセルフメディケーションの見分け方

通常の医療費控除

病院代・治療費が多い方向け

基準額は10万円(所得200万未満は5%)、上限200万円。実は一般の市販薬も対象に含められます。

セルフメディケーション税制

市販薬中心の方向け

基準額は12,000円、上限88,000円。特定のマークがある市販薬のみ対象。

見分け方のコツとして覚えておきたいのが、「通常の医療費控除でも、治療目的の市販薬代(風邪薬など)は対象に含めて計算できる」という点です。ここを勘違いして「市販薬を買ったからセルフメディケーション一択だ」と思い込んでしまうケースが非常に多いです。

そのため、病院での治療費や入院費が多い方は、通常の医療費控除の中に市販薬代も合算して申請するのが最も有利になります。基準額(10万円)を超えやすく、上限も200万円と大きいためです。

一方、病院にはほとんど行かず、特定の市販薬(レシートに★印などがあるもの)の購入が年間12,000円を超えている方は、セルフメディケーション税制が有利になります。通常の医療費控除では10万円の壁に届かない方でも、こちらの制度なら減税の恩恵を受けられる可能性が高いためです。

🔍 まずは通常の医療費控除シミュレーターで試算

病院代と市販薬代の両方がある場合は、まず通常の医療費控除の枠組みにすべて(病院代+市販薬代)を当てはめて計算してみるのが確実なステップです。

🌸 医療費控除シミュレーター 🌸

1年間の医療費(病院代・市販薬代の合計)を入力するだけで、通常の医療費控除でいくら軽減されるか確認できます。ここで出た金額と、セルフメディケーション税制で引ける金額(購入額−12,000円に税率をかけたもの)を比べてみてください。

医療費控除シミュレーターを使ってみる →

🎀 まとめ

セルフメディケーション税制は、健康診断などの取り組みをしている方が、対象の市販薬購入費(12,000円超〜上限88,000円)を控除できる制度です。通常の医療費控除とは選択適用となり、両方は使えません。病院代が多い方は通常の医療費控除(市販薬も合算可)、市販薬中心で10万円に届かない方はセルフメディケーション税制、というのが一番賢い見分け方です。


📚 参考文献