🌸

こんにちは、FPの詠子です。今日は年金を受け取っているシニアの方向けに、医療費控除の意外なメリットをお話しします。

「年金生活で所得税もほとんど払っていないのに、わざわざ医療費控除の手続きなんてする意味あるの?」というご相談を、シニアの読者の方からよくいただきます。

実は、「所得税がゼロだから関係ない」と諦めてしまうのはとってももったいないことなんです。今日は、所得税がほぼかかっていない方にも深く関係する「住民税の隠れたメリット」について、分かりやすくお話ししていきますね。

💡 知っておきたい基本
医療費控除は、本来「税金がかかる対象の金額(所得)を引き下げる制度」です。仕組みの全体像は、まず医療費控除とは?基本の仕組みで詳しく解説しています。 また、分からない用語が出てきたら、医療費控除の用語集もあわせてご覧ください。

👵 まず知っておきたい:年金からも税金は引かれています

私たちが受け取る公的年金(老齢年金)は、税法上はお給料などと同じように「税金の対象(雑所得)」になります。ただし、年金には「公的年金等控除」という特別な非課税枠が用意されているため、一定の金額までは所得税がかからない仕組みになっています。

この「一定の金額」(=源泉徴収が始まる基準額)は、税制改正によって変わります。令和7年分までは、65歳未満の方は年金収入108万円、65歳以上の方は158万円が基準でしたが、令和8年分からは65歳未満の方が155万円、65歳以上の方が205万円に引き上げられています。この基準額を超える年金を受け取っている方は、年金が振り込まれる時点であらかじめ所得税が先払いで引かれています(源泉徴収といいます)。まずは、偶数月に届く「年金振込通知書」で所得税が引かれているかを一度確認してみましょう。

📮 「確定申告は不要」と言われた方でも、医療費控除は受けられます

年金暮らしの方には、「公的年金の収入が400万円以下で、他の所得が20万円以下なら、確定申告をしなくていいですよ」という国が定めた便利なルール(確定申告不要制度)があります。そのため、「私は申告しなくていいんだ」と思っているシニアの方は非常に多いです。

しかし、このルールはあくまで「国に税金を追加で納める必要がない(申告しなくていい)」というだけで、「税金を戻してもらうための申告(還付申告)をしてはいけない」という意味ではありません。

医療費がたくさんかかった年は、この不要制度に関係なく、あえて確定申告をすることで、年金から先払いされていた所得税を口座に戻してもらうことができます。

🌱 「所得税がほぼゼロ」でも、住民税が安くなる隠れたメリット!

ここからが、今日一番お伝えしたい大切なポイントです!

もし年金の額が非課税ラインに近く、所得税が数千円しか戻ってこない(またはゼロの)場合でも、「住民税」側でしっかりメリットが出るケースがたくさんあります。

なぜなら、住民税は所得税よりも「税金がかかり始めるライン」が低く設定されているため、所得税はかかっていなくても、住民税だけは毎月引かれている(納めている)というシニアの方が非常に多いからです。

「所得税が戻らないなら意味がない」と諦めてしまうと、翌年6月からの住民税が安くなるチャンスを丸ごと逃してしまうことになります。ぜひ、両方の効果に目を向けてみてくださいね。

⚠️ 保険料や医療費の「負担割合」に関する大切な注意点

よく「医療費控除を受けると、後期高齢者医療保険料や介護保険料が安くなったり、病院の窓口負担(2割・3割など)が軽くなったりしますか?」というご質問をいただきます。

結論からお伝えすると、医療費控除によって保険料が安くなったり、病院の窓口の負担割合が下がったりすることは原則ありません。

介護保険料や医療費の負担割合(2割・3割など)は、医療費などを引き算する前の「合計所得金額」という数字をベースに判定されるルールになっているからです。医療費控除は、あくまで「所得税と住民税を安くするための引き算」として活用し、保険料などの判定には連動しないと覚えておくと安心です。

🔍 「私の場合はいくら浮く?」を確かめてみましょう

「自分の場合、所得税と住民税がどれくらい安くなるのかな?」と思ったら、まずは一度計算してみるのが一番の近道です。

🌸 医療費控除シミュレーター 🌸

当サイトのシミュレーターなら、1年間の医療費の総額や年金額を入力するだけで、所得税と住民税それぞれの概算軽減額を別々に確認できます。「所得税はゼロだけど、住民税がこれだけ安くなるんだ!」という隠れたメリットがハッキリ見えますよ。

医療費控除シミュレーターを使ってみる →

🎀 まとめ

年金暮らしの方の医療費控除は、所得税だけでなく「住民税を安くできる」という大きなメリットがあります。「確定申告不要ルール」の対象の方でも、税金を取り戻すための申告は自由に行うことができます。

「よく分からないから…」とスルーしてしまう前に、まずはシミュレーターでいくらお得になるかをのぞいて、大切な老後の資金を守っていきましょう!


📚 参考文献