こんにちは、FPの詠子です。今日は「不妊治療の自己負担分、医療費控除になる?」という疑問にお答えします。
体外受精や顕微授精は、保険適用になった今でも自己負担が高額になりがちな治療です。「これだけ払ったのだから、少しでも税金の負担を軽くしたい」というのは、切実な思いだと思います。今日は、不妊治療の医療費控除について、保険適用分・先進医療の扱いも含めてわかりやすく整理します。
医療費控除は、本来「税金がかかる対象の金額(所得)を引き下げる制度」です。仕組みの全体像は、まず医療費控除とは?基本の仕組みで詳しく解説しています。 また、分からない用語が出てきたら、医療費控除の用語集もあわせてご覧ください。
👶 不妊治療(人工授精・体外受精)の費用は医療費控除の対象です
国税庁は、医師による診療等の対価として支払う不妊症の治療費および人工授精の費用について、医療費控除の対象になると明確に示しています。体外受精・顕微授精も同様に対象です。不妊治療が公的医療保険の適用対象となり、窓口での自己負担は原則3割になりましたが、保険適用かどうかにかかわらず、「治療目的の支出」であれば医療費控除の対象になるという基本は変わりません。
🔬 保険併用できる「先進医療」(自費診療部分)も対象になります
不妊治療には「混合診療の禁止」というルールがあり、保険診療と自由診療(全額自費)を同じ治療の中で混ぜることは原則できません。ただし例外として、厚生労働省が認可した「先進医療」(タイムラプス撮影やSEET法など)に限っては、保険診療との併用が認められています。この場合、先進医療にあたる部分の費用は全額自己負担になりますが、医師の治療の一環である以上、この自己負担分も医療費控除の対象になります。
💰 注意:自治体からの「不妊治療助成金」は差し引く必要があります
多くの自治体が、不妊治療(特に保険外の先進医療部分など)に対する独自の助成金制度を設けています。ここで注意したいのは、助成金を受け取った場合、その金額は「保険金などで補てんされる金額」として、支払った医療費から差し引く必要があるという点です。医療保険からの給付金と同じ扱いになります。自治体の助成金を差し引いた後の「本当の自己負担額」をもとに、医療費控除額を計算してください。
👫 共働き夫婦は「夫と妻どっちが申告すべきか」にひと工夫を
不妊治療は夫婦二人三脚で取り組む治療なので、費用も夫婦それぞれが分担して支払っているケースが多いと思います。医療費控除は「生計を一にする配偶者」の分をまとめて申告できるので、夫婦の治療費をすべて合算して、どちらか一方の名義で一括申告することが可能です。共働きで収入に差がある場合は、所得税率が高い(年収が高い)方にまとめて申告した方が、家計全体での税金の軽減額が大きくなります。
この「どちらで申告すべきか」の詳しい判定ステップや分岐点は、共働き夫婦向けの損をしない記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
🔍 不妊治療の自己負担分でいくら戻るか確認
不妊治療は費用がかさみやすい分、医療費控除の効果もしっかり出てきます。実際の軽減額を確認してみましょう。
🌸 医療費控除シミュレーター 🌸
不妊治療の自己負担額(助成金を差し引いた後の金額)を医療費総額に入力するだけで、所得税・住民税それぞれの概算軽減額をすぐに確認できます。
医療費控除シミュレーターを使ってみる →🎀 まとめ
不妊治療・人工授精・体外受精・顕微授精の費用は、保険適用・先進医療(自費)にかかわらず医療費控除の対象です。ただし自治体からの助成金は差し引く必要があります。夫婦で負担した費用はどちらか一方にまとめて申告でき、所得税率が高い方にまとめるとおトクになりやすい点もお忘れなく。まずはシミュレーターで、実際の軽減額を確認してみてくださいね。
📚 参考文献