こんにちは、FPの詠子です。今日は「育休中で収入が減った時期の医療費控除、育児休業給付金は差し引くべき?」という疑問にお答えします。
育休中は収入が大きく変わる時期で、出産費用や赤ちゃんの通院費もかさみがちです。「育児休業給付金って、医療費から引かなきゃいけないの?」というご質問をよくいただくので、今日ははっきりお答えします。
医療費控除は、本来「税金がかかる対象の金額(所得)を引き下げる制度」です。仕組みの全体像は、まず医療費控除とは?基本の仕組みで詳しく解説しています。 また、分からない用語が出てきたら、医療費控除の用語集もあわせてご覧ください。
✅ 結論:育児休業給付金は差し引く必要がありません
育児休業給付金は、雇用保険法に基づき非課税所得として扱われます。医療費控除の計算で差し引くべき「補てんされる金額」は、あくまで医療費を直接補てんする性質のもの(高額療養費、入院給付金、出産育児一時金など)に限られます。育児休業給付金は、育休中の生活費を支援するための給付であり、医療費を補てんする目的のお金ではないため、医療費控除の計算上、差し引く必要はありません。
同じように、出産手当金(産休中の給与を補う給付)も非課税所得ですが、これも医療費を補てんするものではないため、差し引く必要はありません(ただし出産育児一時金は、出産費用を直接補てんするものなので差し引く必要があります)。
⚠️ ただし「収入がゼロ」だと、控除の効果は出ません
ここで注意していただきたい点があります。育休中に会社からの給与が完全にストップし、育児休業給付金のみを受け取っている場合、その給付金自体は非課税所得のため、所得税や住民税を計算する上での「課税所得」がそもそも発生しません。もともと納める税金がゼロであれば、医療費控除で所得を差し引いても還付される税金がないため、ご自身の確定申告で医療費控除の効果を受けることはできません。
👫 配偶者の医療費控除に合算するのがおすすめです
このようなケースでは、育休中のご自身の医療費(ご自身の通院費や、赤ちゃんの医療費など)を、生計を一にする配偶者の医療費控除にまとめて申告するのがおすすめです。医療費控除は「生計を一にする家族の医療費を、実際に支払った人がまとめて申告できる」制度です。
一般的には、所得が高く税率の高い配偶者側で申告した方が減税効果が大きくなります。また、育休に入る前にご自身に一定の給与所得があった場合でも、どちらの所得で申告するのがより有利か、全体のバランスを見て判断するのが良いでしょう。
📆 年の途中で復職した場合
年の途中で育休から復職し、会社からの給与支払いがあった場合は、通常通り年末調整の対象になります。この場合、育休前・復職後の給与を合算して年末調整が行われ、その年末調整のデータをベースにして、医療費控除だけを別途確定申告(還付申告)する、という流れになります。
🔍 配偶者側での軽減額を確認しましょう
ご自身と赤ちゃんの医療費を、配偶者の所得に当てはめて、実際の軽減額を確認してみましょう。
🌸 医療費控除シミュレーター 🌸
配偶者の総所得金額等・所得税率と、ご自身・赤ちゃんの医療費を合計して入力するだけで、所得税・住民税それぞれの概算軽減額を確認できます。
医療費控除シミュレーターを使ってみる →🎀 まとめ
育児休業給付金は非課税所得であり、医療費控除の計算上、差し引く必要はありません。ただし、育休中で自身の所得税がかからない状態だと、自分自身で医療費控除を申告しても効果は得られないため、生計を一にする配偶者の医療費控除にまとめて申告することをおすすめします。
📚 参考文献