こんにちは、FPの詠子です。今日は「老人ホームの入所費用やおむつ代、医療費控除の対象になる?」という疑問にお答えします。
ご家族が施設に入所すると、月々の費用は決して小さくありません。前回は在宅の介護サービスについてお話ししましたが、今日は施設サービスとおむつ代にしぼって、詳しく解説していきますね。
医療費控除は、本来「税金がかかる対象の金額(所得)を引き下げる制度」です。仕組みの全体像は、まず医療費控除とは?基本の仕組みで詳しく解説しています。 また、分からない用語が出てきたら、医療費控除の用語集もあわせてご覧ください。
🏥 施設の種類によって対象範囲が変わります
介護施設の入所費用(介護費・食費・居住費)は、施設の種類によって医療費控除の扱いが異なります。
介護老人保健施設・介護療養型医療施設
自己負担額の全額が対象
指定介護老人福祉施設(特養)
自己負担額の2分の1が対象
一方で、グループホームや介護付き有料老人ホームでの介護サービス費用は、原則として医療費控除の対象になりません。「介護施設だから何でも対象になる」という思い込みは禁物です。入所を検討する際は、この違いも頭に入れておくと良いと思います。
⚠️ 正確に知っておきたい点:介護付き有料老人ホームの「特定施設入居者生活介護」費用は、特別養護老人ホームのような2分の1ルールは適用されず、原則として医療費控除の対象外です。ただし、介護福祉士等による喀痰吸引等(たんの吸引・経管栄養など)を受けている場合は、その自己負担額の10分の1が対象になります。また、入居しながら外部の医療機関を受診したり、訪問看護を利用したりした場合、その費用は別途対象になります。
👶 おむつ代は「おむつ使用証明書」があれば対象になります
おむつ代は、傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで、医師の治療を受けている方が対象です。医師が発行する「おむつ使用証明書」があれば、医療費控除の対象になります。
2年目以降は、この証明書に代えて、要介護認定の際に作成された「主治医意見書」の写しや、市町村が主治医意見書の内容を確認した書類でも代用できます。ただし、主治医意見書に「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」がB1〜C2、かつ「失禁への対応」としてカテーテル使用または尿失禁の可能性ありと記載されていることが条件です。この取り扱いは、厚生労働省と国税庁が連名で示した通知にもとづくもので、市区町村によっては「おむつ使用主治医意見書確認書」といった名称で、この確認書を発行してくれる窓口も用意されています。お住まいの自治体の窓口に問い合わせてみると良いでしょう。
📋 ケアマネジャーに確認しておきたい書類
施設サービス費・おむつ代とも、判断や証明書類の準備が複雑になりがちです。迷ったときは、担当のケアマネジャーに次の点を確認してみてください。
- 領収証に「医療費控除の対象となる金額」が記載されているか(介護保険法上、施設が発行する領収証には基本的にこの金額が記載されるルールになっています)
- おむつ代について、医師の「おむつ使用証明書」または主治医意見書の写しがあるか
- 高額介護サービス費の払い戻しがあった場合、その金額
🔍 施設費用でいくら戻るか確認しましょう
施設の種類ごとの対象割合を踏まえて、実際の軽減額を確認してみましょう。
🌸 医療費控除シミュレーター 🌸
施設費用(対象割合を計算した後の金額)とおむつ代を合計して入力するだけで、所得税・住民税それぞれの概算軽減額を確認できます。
医療費控除シミュレーターを使ってみる →🎀 まとめ
老人ホームの入所費用は、介護老人保健施設なら全額、特別養護老人ホームなら2分の1、グループホーム・有料老人ホームは原則対象外、と施設によって大きく異なります。おむつ代は医師の証明書があれば対象になります。迷ったらケアマネジャーへの確認をおすすめします。
📚 参考文献