🌸

こんにちは、FPの詠子です。今日は「自分の所得税率って、どうやって調べればいいの?」という、シミュレーターを使うときに一番つまずきやすいポイントについてお話しします。

当サイトのシミュレーターでは「所得税率」を入力していただく欄がありますが、「自分の税率がいくつか分からない」という声を多くいただきます。実は、源泉徴収票にも確定申告書にも、税率そのものはどこにも書かれていません。今日は、その調べ方を会社員の方・個人事業主の方、それぞれのケースで解説します。

💡 知っておきたい基本
医療費控除は、本来「税金がかかる対象の金額(所得)を引き下げる制度」です。仕組みの全体像は、まず医療費控除とは?基本の仕組みで詳しく解説しています。 また、分からない用語が出てきたら、医療費控除の用語集もあわせてご覧ください。

🏢 会社員の方:源泉徴収票から2ステップで計算します

会社員の方は、勤務先から受け取る「給与所得の源泉徴収票」を使います。見るべき欄は2つだけです。

STEP1:課税所得を計算する

「給与所得控除後の金額」-「所得控除の額の合計額」= あなたの課税所得(※1,000円未満の端数は切り捨て)

源泉徴収票の中央付近に、この2つの金額が並んで記載されています。「給与所得控除後の金額」はいわゆる「所得」にあたる金額、「所得控除の額の合計額」は社会保険料控除・生命保険料控除・配偶者控除・基礎控除などをすべて合計した金額です。この2つを引き算した金額(1,000円未満を切り捨てたもの)が「課税所得」で、これがSTEP2で使う数字になります。

給与所得の源泉徴収票のサンプル図解 源泉徴収票の主要4項目(支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額)の位置と、課税所得の計算方法を示す図解 給与所得の源泉徴収票(サンプル) 支払金額(いわゆる年収) 6,000,000円 給与所得控除後の金額 4,360,000円 所得控除の額の合計額 1,860,000円 源泉徴収税額 155,700円 内訳:課税所得2,500,000円×10%-控除額97,500円=152,500円 → 復興特別所得税を加え155,700円 課税所得 = 給与所得控除後の金額 − 所得控除の額の合計額 = 4,360,000円 − 1,860,000円 = 2,500,000円 この金額を速算表に当てはめると「税率10%」の区分です

※上記は説明用のサンプル数値です。

💼 個人事業主の方:確定申告書に「課税所得」がそのまま印字されています

個人事業主の方は、会社員の方より1ステップ少なく済みます。前年の確定申告書(第一表)を見ると、「課税される所得金額」という欄に、すでに計算済みの金額がそのまま記載されています。自分で引き算をする必要はなく、この金額(すでに千円未満は切り捨てられています)をそのまま次のSTEP2の速算表に当てはめるだけでOKです。

確定申告書第一表のサンプル図解 確定申告書第一表にある「課税される所得金額」欄の位置を示す図解。個人事業主はこの欄の金額をそのまま速算表に当てはめられる 確定申告書 第一表(サンプル) 収入金額等「事業(営業等)」欄(記号:ア) 8,000,000円 所得金額等「合計」欄(⑫番) 5,300,000円 「課税される所得金額」欄(㉛番)← ここをそのまま使えます 3,800,000円 この金額を速算表に当てはめると「税率20%」の区分です

※上記は説明用のサンプル数値です。実際の申告書のレイアウトとは多少異なります。

📊 STEP2:課税所得を「所得税の速算表」に当てはめます

課税所得が分かったら、次の速算表で自分の税率を確認しましょう。日本の所得税は「超過累進課税」という仕組みで、課税所得が高くなるほど段階的に税率が上がります。

課税所得 税率 控除額
195万円以下5%0円
195万円超〜330万円以下10%97,500円
330万円超〜695万円以下20%427,500円
695万円超〜900万円以下23%636,000円
900万円超〜1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超〜4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

たとえば課税所得が350万円の場合、表の「330万円超〜695万円以下」に該当するので、あなたの所得税率は20%です。この「20%」を、当サイトのシミュレーターの「所得税率」欄にそのまま入力してください。(※なお、お住まいの地域を問わず、住民税率は原則として一律10%となっていますので、この表で調べるのは所得税率だけで大丈夫です)。

⚠️ 「控除額」はシミュレーターには不要です

速算表には「控除額」という列がありますが、これは所得税の総額を一気に計算するための調整項目で、医療費控除の軽減額をシミュレーションする際には使いません。シミュレーターに入力するのは、あくまで表の「税率」の列(5%〜45%のいずれか)だけで大丈夫です。

🤔 源泉徴収票も確定申告書もない場合は?

今年就職したばかりで前年分の書類がない、という方は、今年の見込み年収から概算することもできます。ただし、給与所得控除や各種所得控除の計算はやや複雑なので、迷う場合はひとまず一般的な会社員の平均的な水準である「10%」で試算してみて、実際の源泉徴収票が発行されたタイミングで数字を見直す、という進め方でも問題ありません。

🔍 税率がわかったら、シミュレーターで試算しましょう

正しい所得税率が分かったら、実際に医療費控除の軽減額を計算してみましょう。

🌸 医療費控除シミュレーター 🌸

総所得金額等・医療費総額・保険金の補てん額・所得税率(今回調べた数字)を入力するだけで、所得税・住民税それぞれの概算軽減額を確認できます。

医療費控除シミュレーターを使ってみる →

🎀 まとめ

所得税率は、源泉徴収票や確定申告書に直接書かれていません。会社員の方は「給与所得控除後の金額-所得控除の額の合計額」で課税所得を計算し、個人事業主の方は確定申告書の「課税される所得金額」欄をそのまま使い、速算表に当てはめて税率を確認してください。この数字が分かれば、シミュレーターの入力もぐっと正確になりますよ。


📚 参考文献